"まだ高校生の選手"に対してバッシングが止まらないそうだ。
まあ確かに、表面上だけ見れば、裏約束をしておいて、
「メジャー1本」→「意中の球団のみドラフトで指名」→
「めでたく希望球団に入団」という策が可能に見える。
もし指名したのが日ハムではなく、読売だったなら
私も、そう思ったかも知れない。
その「裏などなかった」ことを証明しようと、
北海道日本ハム球団は口説いた資料をHP上で公開した。
確かに良くできていて、大変勉強になる。
正しいことを言うこと自体は、ある程度、
誰にでも簡単にできると思うが、
その言いたい事を、他人に解ってもらうためには、
それなりのセンスと労力とスキルが必要だということ。
北海道日本ハムはNPBの中でも「プロ野球」をビジネスとして
考えたら、一歩も二歩も先へ行っていると感じる。
それはそれとして、今回は2008年に書いた自分の記事の答え合わせ。
日本ハムが公開した資料の中から1枚の図を引用させていただく。

当時、千葉ロッテの監督であったボビーバレンタインは、
育成選手を多く獲得して、選手の数を増やし、
いわゆる3軍を創設することでMLBのスタイルを持ち込もうとした。
一方、北海道日本ハムは当時から70人の選手枠を埋める事すらせず
(個人を育成するには多すぎると無理だからという理由)
少数の穫った選手を個々に指導、育成、評価する方法を貫いて来た。
日ハムの選手は現在も、育成0、支配下62名+大谷君だ。
今回の記事タイトルにある、「もう一つ勝利」とは、
その育成の手段についてだ。
高卒選手を1位(高校生ドラフトを含む)で指名したのは、
2004ダルビッシュ、2005陽仲壽、2006吉川光夫,2007中田翔
2009中村勝と、素晴らしい育成率。
大谷君も他球団ならいざ知らず、日ハムなら、
メジャーへの遠回りにはならないと考えても不思議ではない。
ドラフト1位で高校生を指名するかどうかも違うので、
単純に千葉ロッテと北海道日本ハムの育成力を比較することは
乱暴すぎるかもしれないが、千葉ロッテは、
育成選手の指名を止め、淘汰ではなく個々の選手を
長く見ようとする方針(^^;)に転換したように見える。
単に脱ボビーの「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」だけ?
と言う説もあるが、結局、試合経験を積ませる事で、
選手のレベルを引き上げるためには、少なくとも
マイナーリーグの整備ができていない、
また淘汰ということをしづらいウェットな日本においては
2軍までで試合に出られる人数に絞る方が効率が良いということかな。