2006年01月19日

「人に歴史あり」『オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える』木村元彦(著)を薦める。

私は、ジェフユナイテッドのファンというより、イビツァ・オシム監督、
もっといえば「オシム語録」のファンだった。
オシム監督の、記者に対して語られるコメントの
ユーモアや機知に富み、場を読み、なおかつ深い言葉に、
良い意味で「かなり特異な才能のある方」と大変興味を持っていた。

語録自体はジェフユナイテッド市原・千葉のオフィシャルサイトにUPされ、
誰でも無料で閲覧できるが、この本、
オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見えるは、
単純に「語録集」を製本したようなものではない。

私が最近読んだ中で最高で、人に自信をもって薦める事の出来る、1册だ。
 高校でサッカーをやっていた友人は、ワールドカップのサッカーを語る時、
1990年イタリア大会のユーゴスラビアを最強であると言っていた。
この大会で優勝した西ドイツ、ベッケンバウァー監督も、
事実上の決勝といわれたオランダでも、決勝を戦ったアルゼンチンでもなく、
1次リーグで戦った、ユーゴスラビアを最強と言っていた。

Jリーグの創成期に「お客を呼ぶ」ために、また、チームを育てるために
呼ばれて来た外国人プレーヤーは、リネカー、ドゥンガ、スキラッチなど
この大会で活躍した選手達だ。
さらに妖精ストイコビッチもいた、ユーゴスラビアの監督がイビツァ・オシム。
「7つの隣国、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、
2つの文字により構成される1つの国」と表現された、
多民族連合国家のドリームチームを、よくまとめ、よく率い、
マスコミとも戦いながら、素晴らしいパフォーマンスを魅せた。

その後のボスニア内戦から、ユーゴの解体へ進んで行く凄まじい歴史。
これを読んだら「オシム語録がオモロいよ」と軽々に言うことが
できなくなり、興味深い人から、尊敬に値する人に変わった。

彼が体験して来た歴史に比べれば、我々日本人は、
「甘い」うえに、「井の中の蛙」。

しかし彼は、選手を育て、通訳を育て、マスコミも育て、
千葉の街を、日本を育てようとしてくれているかのよう。

彼が育てる、ジェフというチーム、
そして現在、通訳を務めている間瀬 秀一という
将来の指導者候補としての成長を追いかけたくなった。

3月1日にサウジが、旧ユーゴのセルビア・モンテネグロ、
日本が、同じく旧ユーゴの彼の母国ボスニア・ヘルツェゴヴィナと、
親善試合を行なう
事となった。

そこで我が日本代表が「気持ちの入った」プレーをして、
W杯で充分に戦う事のできる集団であることを示して欲しいものだ。




posted by ばかぼん父 at 12:26| Comment(0) | TrackBack(5) | 読書&TV番組感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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