2009年01月14日

昭和生まれの野球ファンは必読の書「神宮の奇跡」門田隆将著

もちろん、平成生まれの野球ファンにも読んで欲しいのだが、
これは3冊分の価値があるといっても良い濃密な本だ。

昭和33年(私が生まれる3年前)に東都大学野球一部リーグで、
三つどもえの3度にわたる優勝決定戦のすえ、
なんと学習院大学が初にして、おそらく最後の優勝を飾った
「奇跡」を中心に盛りだくさんなエピソードがたっぷりと
つまっている。

その多彩なエピソードのため、読者によって
感想も様々になるだろう。

いわゆる戦後の
朝鮮からの引き上げ時の壮絶な物語から
焼け跡から立ち上がった日本人の強さを見直せたり、
今上天皇の学習院大学時代とご成婚、
そして昭和天皇の息子としての戦争への思いであったり、
PL学園の創成期の話から有望選手の野球留学や
特待生制度について考える方もいるかもしれない。

マイナーなところ?では、阪神タイガースの
吉田義男のショートの守備が当時の学生の憧れだったり、
関大のエース故・村山実氏が「ええで、ええで」の
上田利治氏とバッテリーを組んでたんだとか、
阪神タイガースに「牙」があり、カッコ良かった時代に
思いをはせる人もいるだろう。

もちろん、メインストーリーである、
学習院大学の春シーズンの入れ替え戦で1部に勝ち残り
秋シーズンで3度の三つ巴の優勝決定戦の末、
優勝を飾るお話も面白い。

普通なら、多すぎる内容を、もっと削って、
スッキリとまとめようとするべきかもしれない。

しかし、門田隆将氏は、短編集ができそうなほどの
全てのエピソードを、なんとかひとつの作品に仕上げた。

それはなぜか?
それは、生の情報を生き証人と言える当事者から、
取材が出来たからに他ならない。
野球の試合の場面については
スコアブックが残っていたそうだ。

この直接お話を聞くことが出来ることこそ、
プロのライターの強みだと思うし、
その直接聞いた事実こそ、かけがえのないものだと思う。
作者である門田隆将氏も、
全てを盛り込まなければならないと考えたのだろう。

貴重なエピソードが短編集のように織り上げられたこの作品は
多くの人に是非読んでもらいたいと思う。


posted by ばかぼん父 at 07:55| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書&TV番組感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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門田隆将「神宮の奇跡」
Excerpt: でも、最後は駒沢球場だったということはおいといて。。。 ←これもある意味奇跡? ということで、昨日はプロ野球の試合がなかったし、MLBは取り上げるまでもないので、野球関連の本の読書感想文でも ・門田..
Weblog: 阪神タイガース世界一への道〜あさちゃん。スポーツ
Tracked: 2009-06-15 18:32
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